2018年3月6日火曜日

しいたげられる夫

以前に勤めていた会社で、ある先輩社員が次のようにぼやいていたのを覚えています。その先輩社員は、もちろん男性です。

「家庭内での地位について、一番えらいのは妻、次が子供、次がペット、一番下が自分」


このような話を聞いたのは、この先輩だけではない。テレビで芸能人が同じようなことを話していた。世の中はフラクタルであるとすると、似たような話をする男性は以外と相当数いるのではないだろうか。


その先輩社員は、妻と子供のために土地を買い、新築の住宅を建てたけれど、家のローンを払うのは、当然のごとくその先輩社員の給料から払われるわけです。

その先輩社員は、夜おそく(深夜または午前にいたるまで)まで会社にいて、ヘトヘトになって家に帰って、家に帰るわけですが、家ではほとんど寝るだけでしょう。

家では、家族から尊敬されるのならともかく、ペット未満として冷遇されていたようだし、少なくともローンの支払いが終わるまで、何十年間は、働き通しという生活を余儀なくされることが、(約束されています。)


その男性社員のストレスのはけ口のひとつが、私に向かって愚痴をこぼすことだったと思います。

そもそも、その男性社員が妻であるその女性と結婚するきっかけをつくったのは、実は自分だったという事情もあり、私は愚痴やボヤキを聞かなくてはならない倫理上の理由がありました。

私としては、愛のキューピットとして、ありがたがられるかと、思いきや、そうではなくて、愚痴やボヤキをいやおうなく聞かなくてはならないという立場でした。


 他の人の愚痴を聞かされるというのは、精神的につらいものです。(文句、苦情、小言、説教、自慢話、能書き、うんちく)なども聞かされるのはつらいと思います。

一方で愚痴を言う側は、思いを吐き出すことができてスッキリして気持ちいいかもしれません。

 愚痴を聞かせるほうは、相手がどういう気持ちになるかを無視しているとも言えます。とにかく自分のいやなことを吐き出したいだけです。相手を便所だと思っている、またはタンツボかなんかだと思っているとも言えます。



私は 心の中では次のように思っていました。

「あの女性がそんな女性だったとは知らなかった。そんな妻なら、うらぎったっていいでしょ。若い女性を見つけて浮気とか不倫でもすればいいのに」

でも、それを口に出して言いませんでした。あたりまえでしょ。そんなこと言うわけないでしょ。もし本当にその先輩社員が浮気をして妻にばれて家庭内が修羅場のようになったとします。その責任が私が発した言葉にあるというようなことにもなりかねません。そのような重い責任をしょいきれませんわ。


それに、もしその先輩社員が若い女性を愛人にしたりしたら、うらやましすぎます。その人は妻もいるし若い愛人もいるという状態になります。

結婚どころか、恋人どころか、女友達さえいない私からみたら、そんなの、うらやましすぎて耐え切れませんがな。










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